訃報

7月末に縫製職人の新井さんが93歳で永い眠りにつきました。
奥様が亡くなられたのを見送られてから3日後の事だったそうです。
新井さんは日本で一番最初の縫製一級技能士の資格を持つプレタポルテの重鎮でした。
27年前に下北沢のお店を開店してまもなくから仕事の依頼を3年間し続けました。
久留米絣の洋服を世に広げるために、パターンと一流の縫製でどんな外出着にもなる服をという志があったからです。
新井さんはそれまでの工場を縮小され、裁断機などを処分し手仕事の藍木野専属となってくださいました。
『絣は生き物だから!』といつも反物とにらめっこしながら裁断したそうです。
通販の依頼が来た時も『僕たちがやるから』と背中を押してくださいました。
ご自分のノウハウを惜しみもなくスタッフに教えてくださり、ご自分が辞められるときは同じ一級技能士の小川さんを紹介してくれました。
新井さんがいなければ今の藍木野はありません。
とても感謝しています。
新井さんと歩んできた藍木野をこれからも皆様に伝えていけるようHPを充実させていきます。
ご冥福をお祈りいたします。